【No.6】「Practice」実行のポイント

さて前編のNO.5では、「Practice(戦略と実行)」に関して、主に「戦略の立案」についての話をさせて頂きましたが、本編のNO.6では組み立てた「戦略」を実行していく手法(=「マネジメント」)についてお話をさせて頂きます。「マネジメント」というと皆さんはすぐに「PDCA」を思い浮かべるかもしれません。これは「Plan(計画)」⇒「Do(実行)」⇒「Check(評価)」⇒「Action(改善)」というマネジメントの一連の基本の流れを意味していますが、残念ながらこの「PDCA」はこの直近の時代の著しい変化によって。いまや死語になりつつあります。

その理由は、ここ10年の間にIT技術の急速な台頭によるデジタル化の進展によって、今までの常識や定石が全く通用しなくなってきていることにあります。つまり「正解」が誰にも分からなくなってきたということです。それ以前は、過去の流れの延長線上で物事を考えていれば、それなりの答えが見えましたが、今は誰にも正解が読めないため、正しいであろうと考えた仮設を、とりあえずやってみて、その結果を見ながら少しずつ修正し、正解を探り当てていくといった、考えながら動く「考動」が必要になってきます。

しかも、その「考動」のスピードも時代の変化に遅れないよう相応の速さが求められます。つまりPDCAのような形で「P」が正しいと信じて堅実に行動を重ねても、残念ながら成果は得られない状況であることは間違いありません。つまり、組織を率いるリーダーは、「P」をじっくり考えるのではなく、正しいと考えた仮設を素早く行動に移し、その結果をスピィーディーに判断しながら、更に次の行動へと高速回転でマネジメントサイクルを回していくことが求められています。

これを「PDCA」をいまの状況に合わせて修正するならば、「P」の部分と「C」の部分にかける時間を極力少なくしなければならないことになります。前述したとおり、動きながら考え、考えながら動くという、行動優先のマネジメントが求められるのです。これを言葉で表すなら「DADA(ダダ)」となります。「これはPとAは必要がない」という意味ではなく、「P」と「C」にかける時間を極力少なくしながら、行動のスピードをもっと上げるべきという考え方にもとづいており、これからのリーダーには「P」と「C」を瞬時に素早く判断する能力が求められているのです。

これを具体的な事例を上げて説明します。いい例が一昨年の春先から突然世界を襲ったコロナ禍です。現代に活きる我々が経験したことのない事態だっただけに、それぞれの状況において、政治を任されたのリーダーが下す判断に対しては、正解は誰にもわかりません。そのつどその都度に素早く状況を判断し、その時に正しいと考えた仮説をスピィーディーに実行する力が求められました。感染状況や感染力や重篤者数の発生割合が目まぐるしく変化する中で、いちいちゆっくりデターを分析している余裕はなく、確固たる正しい正解が見つからない中にあっても、次から次へと待ったなしで決断と行動が求められました。まさに「Do(実行)」⇒「Action(改善)」⇒「Do(実行)」⇒「Action(改善)」のスピィディーな繰り返しの中で、正解を探り続けなければならなかったのです。

これはすなわち、「答えは行動で見つけていく」という前提の下で、行動しながら正解を手探りで探しながら前に進んでいかなければならないことを意味しています。つまり行動なくして答えは見い出せないのです。まさに圧倒的な「行動」が望む成果を勝ち取れる唯一の方法であるといっても過言ではありません。

まさしくこのような「先行きが不透明で、将来の予測が困難なVUCAの時代」には、リーダーは素早く状況を判断し行動の内容を決定し、それらを部下に実行させながら、状況の変化によってすぐに次の動きを決定するといったスピィディーな決断力によって、部下に確実な実行を促す力が必要になります。まさに「戦略を素早く実行する」といった実践のマネジメント力がこれほど難しくなっている時代はないと考えるべきだと思います。

次回のNO.7では、いかにこの「Practice(戦略と実行)」についての職務遂行力を高めるためにリーダーがやらなければならない事、「Inspire(刺激と鼓舞)」についてお話させて頂きたいと考えていますので、お楽しみにお待ち下さい。(写真は、戊辰の役最後の函館戦争で敗れた旧幕府軍の榎本武揚)

 

 

 

 

 

 

 

神田 和明

神田 和明

結果の出る強い組織づくりコンサルタント

株式会社チームフォース代表
中小企業の経営者に、コンサルティングとコーチングのハイブリッド型ソリューションで「結果の出る強い組織づくり」のサポートを行い、「活力」と「成果」をお届けしています
中小企業診断士/【BCS認定】プロフエッショナルビジネスコーチ/宅地建物取引士

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