
今回はそんな私がなぜ、サントリーにいながらコーチングとコンサルタントの会社を立ち上げることになったのかについて詳しくお話しさせて頂くことで、これから将来のキャリアを考え始める40~50代のビジネスパーソンの方に少しでも参考になればと思っています。まず私は以前、このプログでもご紹介させて頂いたように、大学時代は全く勉強せず、仲間と夜中まで酒を酌み交わしたり、日中はマージャンばかりの毎日だったため、卒業を控えた4年生の際に、卒業に必要な単位を多く残し、卒業が危ぶまれる怠惰な学生でした。ということもあって、サントリーに入社した際には、成績優秀で気力にあふれた同期入社の社員らと互角に戦うのはかなり厳しい状況ででした。なんとなく、このままでは会社の中で自分の実力を発揮することができず、常に後ろめたい会社人生を送ることになるという危機感がありました。そんな私が自分の社内での競争力を高める手段として一番初めに思いついたのは、当時「日本のMBA資格」と称されていた「中小企業診断士」の資格を取ることでした。
そしてこのラッキーな資格取得や講師としての経験の陰には、サントリーのサポートがあったことも私は忘れてはならないと考えています。それは、受験を決意しその準備に入っていた私に大きく立ちふさがったのは、日本マンパワーが主宰する中小企業診断士の受験講座に通う際にかかる60万円の受講費用でした。当時色々な事情もあって経済的に厳しかった私は、この受講料を支払う余裕がなく受講を半分あきらめかけていたのですが、どうしてもこの資格をとりたかった私は、思い切って営業の社員教育を担当していた営業推進部にダメモトで、会社にその費用の負担をお願いしようと考えたのです。一般的に考えると、当時のその部署の社員教育は個人の教育が目的ではなく、種々の社員の階層・職種別の教育を目的としたものでした。かねてから知り合いだった営業推進部のI課長に、こっそりその負担をお願いしたところ、「それを会社で負担するのはルール外になる」とあっさり断られでしまいました。しかし私は何度も粘り強く「これからのサントリーの営業マンは、お金と気合と根性だけでは、競合他社に負けてしまう。得意先の経営状況をしっかりと把握し、幅広い見地から客観的にその経営課題を解決していくコンサルティングセールスが必ず必要になる」と無理やり理屈を押し通して粘りに粘りました。
そんな異動を余儀なくされた失意の中で、あるとき都内の書店をぶらついていた私に一冊の本が私の目に飛び込んできました。それは「ダイエットに成功する人が会社を活性化できるワケ」というタイトルの単行本でした。当時、私は新しい部署で、110キロほどあった体重を76キロまで落とし、34キロのダイエットに成功していました。その本の著者は当時ビジネスコーチスクール(株)の専務であった橋場剛さんと言う方で、その著書の中には、彼が主宰する「ビジネスコーチ育成講座」の無料説明会」参加の内容が記載されいました。「なぜかわからないがコーチングというものは、もしかすると自身を成長させてくれるのでは・・・」という淡い期待を込めその「事前説明セミナー」に参加したのです。そこでビジネスコーチ(株)の代表の細川馨さんとお会いすることになります。ユニークで田舎風の細川代表の話を聞き言っているうちに、私の心の中で大きな衝撃が起こりました。「これだ!私の求めていたものは」。福岡支店時代を思い起こし、「自身のリーダーとしての至らなさ、情けなさ、未熟さを全て解決し成長を促してくれるのはコーチングなんだ」と。私はコーチングに無限の可能性を感じ、「ビジネスコーチ育成講座」を受講することを決意したのでした。さしたる確信はなかったものの、なんとなく目に見えない力が私に強く働きかけてくるのを感じていたのかもしれません。
結果的には、この時の成功体験が、私の現在の会社の「人に活力、組織に成果の提供を通じて、結果の出る強いリーダーを育てる」というメインコンセプトにつながっていきました。これも今よく考えてみれば、コーチングという当時ではよくわからない考えや手法を、自分のチームに好き勝手に実験に使う私の振舞いを、文句もいわず黙って認めてくれていた本部長や役員の方々の許容範囲の広さのお陰だと深く感謝しています。もし私の考えた通りのやり方を否定されたり、いちいちやり方に注文を付けられていたとしたら、私のチームがこのような成果をもたらすこともなかったし、また自身のコンサルタントやコーチとしてのセカンドキャリアを今のように築くことはできなかったのではないかと考えています。まさに自身で学んだことを自由に挑戦・実践させてくれる会社としての組織風土が、従業員に自信と勇気を与え、更なる新たなステージへと成長を促す原動力になっているのではないかと感じています。
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